障害福祉事業所の実地指導で指摘される書類ミスTOP5
実地指導(現在は「運営指導」)で指摘される書類ミスは、毎年同じパターンを繰り返すことが多いといわれます。「ちゃんと作っているつもり」だった書類が、実は要件を満たしていなかった――そんな事例は珍しくありません。この記事では、税理士の視点から実地指導で指摘されやすい書類ミスをTOP5形式で解説します。
第1位|個別支援計画の同意・更新漏れ
最も多い指摘が個別支援計画です。指摘されるパターンは以下のとおりです。
- 利用開始時に作成されていない
- 6か月ごとのモニタリング・見直しが行われていない
- 利用者または家族の署名・押印がない
- アセスメント結果と計画内容が一致していない
個別支援計画が要件を満たしていない場合、給付費の返還を求められるケースもあります。月ごとのカレンダーや専用のシステムまたはスプレッドシートなどで「次の計画見直しはいつか」を可視化しておくと安心です。
第2位|支援記録の不備
日々の支援記録は、サービス提供を証明する重要な書類です。指摘されやすいパターン:
- 提供時間・支援内容が具体的に書かれていない
- 一括して「支援した」とだけ記載
- 記録者と支援者が異なる、または明記されていない
- 後日まとめて記入している(推測される筆跡や時刻)
支援記録は1日単位で具体的に書くことが原則です。「個別支援計画に基づいた支援内容」が読み取れる記録であることが求められます。
第3位|人員配置基準と勤務シフト表の不一致
サービスごとの人員配置基準(児童指導員・サービス管理責任者・看護職員等)が満たされているかを、シフト表で確認されます。
| よくある指摘 | 対応策 |
|---|---|
| 常勤換算で基準を割っている | 常勤換算時間の集計を月単位で確認 |
| サービス管理責任者の兼務範囲が誤り | 兼務可能なサービスの確認 |
| シフト表と実際の出勤記録が違う | タイムカードと突合 |
勤務シフト表は「予定」ではなく「実績」を反映したものを保管します。
第4位|加算算定要件の根拠書類の不足
処遇改善加算・専門的支援加算・送迎加算など、加算ごとに必要な書類が異なります。よくある指摘:
- 処遇改善加算:賃金改善実績報告書の根拠資料が不足
- 専門的支援加算:理学療法士等の資格証明書が古い
- 送迎加算:送迎記録(乗降場所・時刻)がない
加算は「届け出ているから算定できる」のではなく「要件を満たしている事実が書類で証明できる」ことが必要です。
第5位|利用契約書・重要事項説明書の更新漏れ
報酬改定・サービス内容の変更があった際、契約書類の更新が漏れているケースが多くあります。
- 利用料金表が古いまま
- 苦情解決の窓口・担当者が変わっているのに反映されていない
- 個人情報保護方針が古い基準のまま
契約書類は法定の必須記載事項があるため、年に1回は内容を見直すことをおすすめします。
まとめ
実地指導で指摘される書類ミスは、日々の業務の中で「気をつけているつもり」が積み重なって発生します。年に1回、自己点検シートを使って書類整備状況を確認することで、ほとんどの指摘は予防できます。
特に個別支援計画・支援記録は、加算算定の根拠にもなる重要書類です。書類整備に不安がある場合は、専門家への相談を検討してみてください。
参考資料
- [厚生労働省|障害福祉分野における指導監督](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kanriseibi/index.html)
- [厚生労働省|障害福祉分野における運営指導・監査の強化について](https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/001442572.pdf)
- [大阪府|障がい福祉サービス等指定申請の手引き](https://www.pref.osaka.lg.jp/o090080/jigyoshido/jiritu_top/sya-tebiki.html)
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