令和8年度の障害福祉報酬改定とは?放課後等デイ・児童発達支援への影響を税理士が解説
「令和8年度に報酬改定があると聞いたけれど、放課後等デイや児童発達支援は何が変わるの?」——そんな疑問をお持ちの事業者の方は多いのではないでしょうか。本記事では、令和8年6月1日に施行された報酬改定のポイントと、放課後等デイサービス・児童発達支援への影響、そして事業者が今やるべき準備を整理します。結論から言うと、今回の改定の柱は「処遇改善加算の見直し」であり、放デイ・児発もその対象に含まれます。
令和8年度の障害福祉報酬改定とは?いつ施行された?
令和8年度の障害福祉報酬改定は、令和8年6月1日に施行された臨時の見直しです。3年ごとに行われる大きな報酬改定(次回は令和9年度が想定されています)とは別に、中間の年に処遇改善加算などの個別項目を改定したものと整理できます。
厚生労働省とこども家庭庁は、令和8年2月の検討チーム資料で改定事項を示し、その後、令和8年3月31日・5月28日に告示やQ&Aを公表しています。今回の改定はサービス全体を一新するものではなく、「人手不足と賃上げ」への対応を中心とした見直しである点が特徴です。
令和8年度の報酬改定で処遇改善加算は何が変わった?
今回の改定で最も大きく変わったのが処遇改善加算です。処遇改善加算とは、職員の賃上げに使うことを条件に、サービスの報酬に上乗せされる加算のことです。主な変更点は次の3つに整理できます。
| 変更点 | 内容 |
|---|---|
| ①対象者の拡大 | 従来は「福祉・介護職員」が中心だった対象を、障害福祉従事者全体に拡大 |
| ②上位区分の新設 | 生産性向上・協働化に取り組む事業所向けの上乗せ加算区分を新設 |
| ③相談支援への新設 | 計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援にも処遇改善加算を新設 |
①の「対象者の拡大」は、これまで加算の対象になりにくかった職種にも賃上げの原資を配分しやすくなる、という意味で実務に大きく影響します。配分のルールは事業所の裁量がありますが、原資をどう振り分けるかは賃金規程と一体で考える必要があります。
なお、加算の上位区分を取得するための要件のひとつにキャリアパス要件Ⅳ(年収440万円以上の職員を一定数配置すること)があります。小規模事業所では「月額平均8万円以上の賃金改善」など代替要件が設けられています。具体的な加算率や要件の詳細は年度や区分によって異なるため、必ず厚生労働省・こども家庭庁・大阪府の一次資料でご確認ください。
放課後等デイサービス・児童発達支援への影響は?
放課後等デイサービス・児童発達支援も、令和8年6月施行の処遇改善加算の見直しの対象です。児童発達支援管理責任者や指導員など、現場を支える職員の賃上げにつながる原資が見直された、と捉えてください。
一方で、放デイ・児発の基本報酬や個別加算の単位数の増減については、内容が細かく不確実な部分が残ります。インターネット上には具体的な単位数や加算率の数字が出回っていますが、年度途中の改定では経過措置や配慮措置が複雑に絡むため、自所のサービス区分・利用者像に当てはまる正確な数字は、こども家庭庁および大阪府(指定権者)の告示・通知で必ず裏取りすることを強くおすすめします。誤った単位数で請求すると、後の実地指導で返還リスクにつながります。
事業者が令和8年度改定で今やるべき準備は?
結論として、処遇改善計画書の見直しと提出、賃金規程の整合性チェックが最優先です。具体的には次の準備を進めましょう。
- 処遇改善計画書の作成・提出:拡大された対象職員を踏まえ、配分計画を作り直す
- 賃金規程・就業規則の整合:加算の配分実態と規程の文言が食い違わないようにする
- 加算区分の選択:上位区分を狙うなら、生産性向上・協働化の要件を満たせるか確認する
- 会計処理の確認:加算収入と賃金支出を区分して記帳し、実績報告に備える
- 顧問税理士・社労士との連携:労務(賃金)と税務(仕訳・実績報告)は連動するため早めに相談
特に処遇改善加算は「もらった額をきちんと賃金に充てたか」を後から確認される加算です。会計上、加算収入と人件費の対応関係を明確にしておくことが、実地指導対策としても重要になります。
まとめ
- 令和8年度の障害福祉報酬改定は令和8年6月1日に施行された、中間年の臨時的な見直しです。
- 今回の柱は処遇改善加算で、①対象を障害福祉従事者全体に拡大 ②上乗せ区分を新設 ③相談支援にも新設の3点が大きな変更です。
- 放課後等デイ・児童発達支援も処遇改善加算の見直しの対象ですが、基本報酬・個別単位数の増減は一次資料で必ず確認しましょう。
- 事業者は処遇改善計画書の提出・賃金規程の整合・会計処理の区分を早めに進めることが大切です。
- 加算名や単位数はYMYL(お金と制度)の論点です。最終判断は厚生労働省・こども家庭庁・大阪府の公的資料を基準にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 令和8年度の障害福祉報酬改定はいつから施行されましたか?
A. 令和8年6月1日に施行されました。3年ごとの大きな改定(次回は令和9年度想定)とは別に、中間の年に処遇改善加算などを見直したものです。
Q. 令和8年度の改定で処遇改善加算は何が変わりましたか?
A. 主な変更は3点です。①対象を「福祉・介護職員」から障害福祉従事者全体へ拡大、②生産性向上・協働化に取り組む事業所向けの上乗せ区分を新設、③計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援にも処遇改善加算を新設しました。
Q. 放課後等デイサービスの基本報酬の単位数は変わりましたか?
A. 放デイ・児発の個別の単位数や加算率には経過措置・配慮措置が絡み、不確実な部分があります。自所に当てはまる正確な数字は、こども家庭庁・大阪府の告示や通知で必ずご確認ください。
Q. キャリアパス要件Ⅳの年収基準はいくらですか?
A. 年収440万円以上の職員を一定数配置することが基準です。小規模事業所では「月額平均8万円以上の賃金改善」などの代替要件が設けられています。
Q. 事業者がまずやるべきことは何ですか?
A. 拡大された対象職員を踏まえた処遇改善計画書の作成・提出と、賃金規程・就業規則との整合チェックが最優先です。加算収入と人件費を区分して記帳しておくと、実績報告や実地指導の備えにもなります。
参考資料
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Hands On会計事務所は、大阪府柏原市を拠点とする障害福祉専門の税理士事務所です。就労継続支援A型・B型、放課後等デイサービス、児童発達支援、グループホームなどの税務・会計・加算を専門に支援しています。私たちは支援員としての現場経験があるため、処遇改善加算の配分や実績報告といった専門的な内容も、現場目線でかみくだいてご説明します。さらに、個別支援計画AI作成ツールや予約・シフト管理システムを顧問先に無償提供し、事務負担の軽減もお手伝いしています。初回相談は無料です。柏原市・八尾市・東大阪市・藤井寺市・羽曳野市・松原市・大阪市・堺市をはじめ、大阪府全域に対応しています。報酬改定対応や開業のご相談は、お気軽にお問い合わせください。
執筆・監修:Hands On会計事務所(税理士事務所/大阪府柏原市)
障害福祉事業者(就労継続支援A型・B型、放課後等デイサービス、児童発達支援、グループホームなど)の税務・会計・加算を専門に支援する税理士事務所です。最終更新日:2026年7月1日
