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障害福祉事業の融資|日本政策金融公庫の審査で見られるポイント

障害福祉事業の融資|日本政策金融公庫の審査で見られるポイント

「就労継続支援の事業所を開業したいけれど、融資の審査に通るか不安…」というご相談をよくいただきます。障害福祉事業の開業には物件取得費や内装工事費、当面の運転資金など、まとまった資金が必要です。この記事では、日本政策金融公庫(以下「公庫」)の融資審査で実際に見られるポイントを、障害福祉専門の税理士の視点からわかりやすくお伝えします。

目次

なぜ日本政策金融公庫が障害福祉事業と相性がいいのか

開業資金の融資先としてまず候補に挙がるのが、政府系金融機関である公庫です。民間の銀行は「実績のない新規事業」への融資に慎重ですが、公庫にはこれから事業を始める方を対象とした「新規開業資金」という融資制度があります。

障害福祉事業は国の給付費(訓練等給付費・介護給付費)が収入の柱になるため、売掛金の回収がほぼ確実という特徴があります。公庫の担当者もこの業界の収益構造を理解しているため、事業計画がしっかりしていれば融資が通りやすい分野の一つです。

融資額の目安としては、就労継続支援B型で500万〜1,500万円程度、放課後等デイサービスで500万〜1,000万円程度のケースが多く見られます。

審査で見られる5つのポイント

公庫の審査では、大きく分けて次の5つが重視されます。

① 自己資金の額

公庫の創業融資では、融資希望額の3分の1程度の自己資金があるとスムーズです。たとえば1,000万円の融資を受けたい場合、300万〜350万円ほどの自己資金が目安になります。

ここで大切なのは「コツコツ貯めたお金」であることです。審査では通帳のコピーを提出するため、直前に親族から一時的に借りたお金は「見せ金」と判断される場合があります。少なくとも半年〜1年前から計画的に貯蓄していることが伝わると好印象です。

② 経歴・経験

「この人がこの事業をやる理由」が明確かどうかは非常に重要です。障害福祉事業の場合、サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者の実務経験を持っている方は高く評価されます。

福祉業界での経験がない場合でも、たとえば介護業界でのマネジメント経験や、異業種でも人材管理・店舗運営の実績があれば、事業計画書でしっかりアピールすることで十分カバーできます。

③ 事業計画書の具体性

審査で最も重要と言っても過言ではないのが事業計画書です。公庫の担当者が知りたいのは、次のようなポイントです。

  • 利用者の集客方法:相談支援事業所や特別支援学校との連携計画は具体的か
  • 収支の見通し:開業後3〜6か月は利用者が少ない前提で計画されているか
  • 人件費の見積もり:配置基準を満たす職員数と給与額は現実的か

よくある失敗は「開業初月から定員いっぱい」という甘い計画です。障害福祉事業は開業後すぐに利用者が集まるわけではありません。最初の6か月は定員の3〜5割くらいで収支計画を作り、それでも資金が回ることを示せると説得力が増します。

④ 借入状況・信用情報

住宅ローン以外の借入、とくにカードローンや消費者金融の残高がある場合は、審査に影響します。また、クレジットカードの支払い遅延や税金の滞納がある場合は大きなマイナスポイントです。

融資を検討し始めたら、まずご自身の信用情報(CIC・JICC)を確認しておくことをおすすめします。過去の延滞記録が残っていないか、事前にチェックしておけば対策を取る時間が生まれます。

⑤ 物件・設備の計画

障害福祉事業は指定基準を満たす物件でなければ開業できません。消防法や建築基準法の要件、面積基準など、物件選びのハードルは意外と高いものです。

融資面談の時点で「この物件で指定基準を満たせる」という根拠を示せると、審査担当者の安心感が大きく変わります。可能であれば、行政への事前相談を済ませた状態で融資申込をするのが理想です。

融資を成功させるために事前にやっておくべきこと

融資の成功率を上げるために、申込前に次の3つを実践しておきましょう。

  1. 指定権者(都道府県・市町村)への事前相談を済ませる:事業の実現可能性を裏付ける材料になります
  2. 税理士と一緒に事業計画書を作り込む:数字の整合性やキャッシュフローの見通しを専門家の目でチェックしてもらうと精度が格段に上がります
  3. 面談のシミュレーションをする:公庫の審査では必ず面談があります。事業への想いだけでなく、「数字の根拠」を聞かれたときにスムーズに答えられるよう準備しましょう

まとめ

日本政策金融公庫の融資審査では、自己資金・経歴・事業計画の具体性・信用情報・物件計画の5つが重要なポイントです。障害福祉事業は収益の安定性が高い業種だからこそ、その強みを事業計画書にしっかり落とし込めるかどうかが勝負の分かれ目になります。

「計画書の数字がこれで合っているのかわからない」「そもそもどこから手をつけていいかわからない」という方は、早めに専門家へ相談することで融資成功の可能性を大きく高めることができます。


障害福祉事業の税務・会計でお困りの方へ
Hands On会計事務所では、初回相談を無料で承っております。
大阪府全域の障がい福祉事業者様からのご相談をお待ちしております。

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