障害福祉事業所のサービス提供記録の保管期間と電子化のポイント

障害福祉事業所のサービス提供記録の保管期間と電子化のポイント

支援記録・モニタリング記録・個別支援計画など、障害福祉事業所では膨大な書類が日々発生します。「いつまで保管すればいいの?」「電子化していい?」と疑問を持つ事業者は多いはずです。この記事では、記録の保管期間ルールと電子化のポイントを解説します。

目次

障害福祉サービス関連書類の保管期間

障害者総合支援法に基づく事業所では、原則として「完結の日から5年間」の保管が義務付けられています。「完結の日」とはサービス提供が終了した日(利用契約終了日)を指します。

書類保管期間(目安)
個別支援計画完結後5年
支援記録(日々の記録)完結後5年
アセスメント・モニタリング記録完結後5年
国保連請求関連書類完結後5年
苦情・事故対応記録完結後5年
重要事項説明書・契約書完結後5年

なお、地方自治体の条例で保管期間を延長している場合(10年など)もあるため、所管自治体の条例を確認してください。

税務関連書類との違い

税務上の帳簿書類は法人税法・所得税法により別途保管期間が定められています(原則7年、欠損繰越控除を受ける場合は10年)。

書類保管期間
帳簿(総勘定元帳・仕訳帳)7年(欠損あり10年)
領収書・請求書7年
給与関連帳簿7年
個別支援計画等の福祉系書類5年

つまり、福祉系書類は5年、税務系書類は7年と保管期間が異なります。書類の種類ごとに整理しておきましょう。

電子化のメリットと法的要件

紙の書類は、年数が経つほど保管スペースが圧迫されます。電子化することで以下のメリットがあります。

  • 保管スペース削減
  • 検索性の向上
  • バックアップによる紛失リスク低減
  • 実地指導時の即時提示が容易

ただし、電子化には法的要件があります。

障害福祉サービス関連の電磁的記録

厚生労働省の障害福祉サービス関係法令には、令和3年度報酬改定で電磁的記録の規定が新設されました。要件のポイント:

  • 必要に応じて出力できる状態であること
  • 改ざん防止措置を講じること
  • 必要事項を電磁的方法によって記録すること

クラウド型の支援記録ソフトは多くがこれらの要件を満たしています。

税務関連書類の電子化

国税関係書類は「電子帳簿保存法」の要件に従って保存する必要があります。

区分要件のポイント
電子帳簿・電子書類訂正・削除履歴の保存等
スキャナ保存タイムスタンプ・解像度等の要件
電子取引データ電磁的記録のまま保存(2024年から完全義務化)

特にメールで受領した請求書や、クラウド経由で発行された領収書(電子取引)は紙に印刷して保存する方法が認められなくなりました。

電子化を進める実務ステップ

  1. 書類の種類別に保管期間と電子化可否を整理
  2. 障害福祉サービス対応のクラウド支援記録ソフトを選定
  3. 経理側は電子帳簿保存法対応の会計ソフトを導入
  4. 電子化のルール(書類分類・命名規則・保存先)を社内文書化
  5. スタッフへの研修を実施

まとめ

障害福祉事業所の書類は「完結後5年」が基本ですが、税務系書類は7年と異なります。電子化することで管理コストを大幅に下げられますが、電子帳簿保存法等の要件を満たす必要があります。

紙と電子の併存は最も非効率な状態です。事業所全体で電子化のルールを統一し、段階的に移行していくことをおすすめします。

参考資料

  • [厚生労働省|介護分野の文書に係る負担軽減について](https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/000754441.pdf)
  • [国税庁|電子帳簿等保存制度特設サイト](https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/index.htm)
  • [国税庁|電子帳簿保存法一問一答(電子取引関係)](https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/03-6.pdf)

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