障害福祉事業所のスタッフ退職時の手続き|社会保険・源泉所得税の注意点
スタッフが退職するとき、事業所側には思った以上に多くの手続きが発生します。特に社会保険や税務まわりは期限が決まっており、対応が遅れるとスタッフに迷惑をかけるだけでなく、事業所にもペナルティが課される場合があります。この記事では、障害福祉事業所の経営者・管理者向けに退職時の主要な手続きと注意点をわかりやすく解説します。
退職後5日以内にやること|社会保険の資格喪失手続き
退職日の翌日から5日以内に、健康保険・厚生年金の「資格喪失届」を年金事務所へ提出する必要があります。
この届出が遅れると、退職したスタッフが病院に行ったときに保険証が使えないといったトラブルが起きます。雇用保険の資格喪失届(離職票の発行を含む)はハローワークへ退職日の翌日から10日以内の提出が必要です。
提出先と書類まとめ
| 手続き | 提出先 | 期限 |
|---|---|---|
| 健康保険・厚生年金 資格喪失届 | 年金事務所 | 退職日翌日から5日以内 |
| 雇用保険 資格喪失届・離職票 | ハローワーク | 退職日翌日から10日以内 |
| 住民税 異動届 | 市区町村 | 退職月の翌月10日まで |
健康保険証は退職日当日に回収し、速やかに返却してください。
源泉徴収票は1ヶ月以内に発行する
退職したスタッフには、退職後1ヶ月以内に「源泉徴収票」を交付する義務があります(所得税法226条)。これはスタッフが年末調整や確定申告をするために必要な書類です。
よくあるミスが「年末にまとめて発行すればいい」という思い込みです。途中退職のスタッフは、転職先での年末調整に間に合わなくなる可能性があります。退職が決まったら、給与計算ソフトで早めに源泉徴収票を作成しておきましょう。
源泉徴収票に記載する主な項目
- 支払金額(総支給額)
- 給与所得控除後の金額
- 源泉徴収税額
- 社会保険料等の金額
- 扶養家族の情報
住民税の切り替え処理を忘れずに
給与から天引きしていた住民税(特別徴収)は、退職によって取り扱いが変わります。
退職月が1〜5月の場合は、残りの住民税を最後の給与または退職金から一括徴収することが原則です。退職月が6〜12月の場合は、本人の希望により一括徴収か普通徴収(本人が直接納付)かを選べます。
退職後は速やかに「給与支払報告・特別徴収にかかる給与所得者異動届出書」を市区町村に提出します。この手続きを怠ると、退職したスタッフに二重で納付通知が届くなどのトラブルになります。
退職金を支払う場合の源泉所得税
退職金を支払う場合は、通常の給与と異なる計算方法で源泉所得税を計算します。
退職金は「退職所得」として優遇税制が適用されており、勤続年数に応じた「退職所得控除」を差し引いた後の金額の半分に課税されます。たとえば、勤続10年のスタッフへの退職金200万円であれば、退職所得控除(10年×40万円=400万円)が退職金を上回るため、課税されません。
スタッフから「退職所得の受給に関する申告書」を提出してもらわないと、高い税率で源泉徴収する必要があるため、必ず書類を準備してください。
まとめ
スタッフの退職時には、社会保険・雇用保険・住民税・源泉徴収票と複数の手続きが短期間に集中します。特に資格喪失届は退職後5日以内と期限が厳しいため、退職が決まった時点でチェックリストを作成して対応することをおすすめします。
手続きに不安がある場合や、複数のスタッフが同時期に退職するといった状況では、税理士・社会保険労務士への相談も検討してみてください。Hands On会計事務所では、こうした労務まわりの相談にも対応しております。
障害福祉事業の税務・会計でお困りの方へ Hands On会計事務所では、初回相談を無料で承っております。 大阪府全域の障がい福祉事業者様からのご相談をお待ちしております。
