放課後等デイ・児発の加算チェックリスト【令和6年度版】|取りこぼしを防ぐ算定の実務を税理士が解説

放課後等デイ・児発の加算チェックリスト【令和6年度版】|取りこぼしを防ぐ算定の実務を税理士が解説

放課後等デイサービス(放デイ)・児童発達支援(児発)は加算の数が多く、令和6年度改定で統廃合や基本報酬への組み込みが大きく行われました。そのため、「取れるはずの加算を取りこぼしていた」「逆に古い枠組みのまま算定していて返還になった」というケースが起きやすい分野です。

この記事では、令和6年度改定後の主な加算を、取りこぼしを防ぐチェックリスト形式で整理します。障害児支援の所管はこども家庭庁です。なお、単位数・要件は改定で変わるため、算定の前には必ず指定権者(都道府県・市)の最新資料でご確認ください。

目次

まず押さえる|令和6年度改定で「加算の枠組み」が変わった

令和6年度改定では、加算の名前や枠組み自体が変わりました。主な変更点は次のとおりです。

  • 基本報酬が「定員区分 × 支援提供時間の区分」で決まる形に(30分超などの時間区分を新設)
  • 「専門的支援加算+特別支援加算」→「専門的支援体制加算+専門的支援実施加算」に再編
  • 「家庭連携加算+事業所内相談支援加算」→「家族支援加算」に統合(オンライン相談も対象に)
  • 欠席時対応加算(Ⅱ)を廃止し、94単位に一本化
  • 医療的ケア児支援を、独立加算ではなく判定スコアによる基本報酬の区分に組み込み
  • 児童指導員等加配加算から専門職分を分離

旧枠組みのまま算定していると返還リスクがあります。まずは自事業所の算定が令和6年度版になっているかを確認しましょう。

支援の質を評価する加算|取りこぼしチェック

体制を整えれば算定できる加算は、取りこぼしが起きやすい部分です。

加算概要・実務ポイント
専門的支援体制加算理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・公認心理師・保育士等を常勤換算1.0以上配置する「体制」を評価。体制の届出で算定
専門的支援実施加算計画に基づき個別・集中的な専門的支援を実施した場合(150単位/回・原則月4回程度)。専門的支援実施計画と実施記録が必須。「体制」加算とは別物
個別サポート加算(Ⅰ)ケアニーズの高い子(重度・強度行動障害等)への支援
個別サポート加算(Ⅱ)要保護・要支援児への支援(こども家庭センター等との連携)
個別サポート加算(Ⅲ)放デイで新設。不登校児等への支援
強度行動障害児支援加算強度行動障害のある子への支援(放デイは区分あり)
入浴支援加算医療的ケア児・重症心身障害児への入浴支援(児発55単位・放デイ70単位/回・月8回限度

(単位数を明記していない加算は、サービス種別や区分で異なります。算定前に指定権者の資料でご確認ください。)

家族・関係機関への支援を評価する加算

令和6年度改定で、家族支援や地域連携の評価が手厚くなりました。

加算概要・実務ポイント
家族支援加算旧「家庭連携加算」+「事業所内相談支援加算」を統合。保護者への相談援助を評価(個別の居宅訪問は1時間以上300単位・1時間未満200単位、オンラインも対象、ほかにグループ支援)。きょうだい支援・本人がいない場面での保護者支援も対象。個別支援計画への位置づけと記録が要件
子育てサポート加算新設。保護者に支援場面の観察・参加の機会を提供し、特性や関わり方を相談援助
関係機関連携加算・中核機能強化(事業所)加算学校・保育所・医療機関等との連携や、地域の中核的な機能を評価

送迎・欠席対応など運営の加算

加算概要・実務ポイント
送迎加算片道54単位が基本。重症心身障害児の送迎は上乗せ、同一・近接敷地内は減算(上乗せ・減算の単位数は指定権者の資料で要確認)
欠席時対応加算当日に欠席連絡を受け、相談援助を行い記録した場合に94単位(月4回限度。重症心身障害児は要件のもと月8回)

職員の処遇に関わる加算

加算概要・実務ポイント
福祉・介護職員等処遇改善加算令和6年6月に一本化(区分Ⅰ〜Ⅳ)。放デイ・児発にも適用。受け取った額は全額を賃金改善に充てるのが原則。処遇改善計画書・実績報告書の提出が必要(キャリアパス要件などの詳細は、当事務所の「処遇改善加算の3要件」の記事で解説しています)

減算にも注意|「やっていない」と引かれるもの

加算の取りこぼしと同じくらい大切なのが、整備していないと引かれる減算です。

  • 虐待防止措置未実施減算(所定単位数の一定割合)
  • 身体拘束廃止未実施減算(見直しで、所定単位数の一定割合に)
  • 業務継続計画(BCP)未策定など、運営基準に関わる減算

これらは「やっていれば引かれない」性質のものです。委員会の設置・研修・指針の整備・記録を、年間スケジュールに組み込んでおきましょう。

まとめ

  1. 令和6年度改定で放デイ・児発の加算は統廃合・基本報酬への組み込みが進んだ。旧枠組みのままの算定は返還リスク
  2. 質の評価=専門的支援体制/実施加算、個別サポート加算(Ⅰ〜Ⅲ)、強度行動障害児支援加算、入浴支援加算
  3. 家族支援=家族支援加算(旧2加算を統合・オンライン可)、子育てサポート加算(新設)。
  4. 運営=送迎加算(片道54単位)、欠席時対応加算(94単位に一本化)。職員=処遇改善加算(一本化)。
  5. 単位数・要件は改定で変わる。算定前に必ずこども家庭庁・指定権者の資料で確認を。減算項目の整備も忘れずに。

よくある質問(FAQ)

Q. 令和6年度改定で放デイ・児発の加算はどう変わりましたか?

A. 専門的支援加算と特別支援加算が「専門的支援体制加算+実施加算」に、家庭連携加算と事業所内相談支援加算が「家族支援加算」に統合され、欠席時対応加算は94単位に一本化、医療的ケア児支援は判定スコアで基本報酬の区分に組み込まれました。

Q. 家族支援加算とは何ですか?

A. 旧「家庭連携加算」と「事業所内相談支援加算」を統合した加算で、保護者への相談援助を評価します。居宅訪問やオンラインでの相談も対象で、きょうだいへの支援や本人がいない場面での保護者支援も算定できます。個別支援計画への位置づけと記録が必要です。

Q. 専門的支援実施加算を算定するには何が必要ですか?

A. 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・公認心理師・保育士・児童指導員(一定の経験)等が、専門的支援実施計画に基づいて個別・集中的な支援を行い、実施記録を残すことが必要です(150単位/回・月4回程度)。配置を評価する専門的支援体制加算とは別物です。

Q. 加算の単位数はこの記事の数字をそのまま使ってよいですか?

A. 単位数や要件は報酬改定で変わります。本記事は令和6年度改定後の主な枠組みを整理したものです。算定の前には、必ずこども家庭庁や指定権者(都道府県・市)の最新資料でご確認ください。

Q. 加算を取りこぼさないコツはありますか?

A. ①令和6年度版の枠組みで算定できているか②体制を整えれば取れる加算(専門的支援体制・入浴支援など)を見落としていないか③整備していないと引かれる減算(虐待防止・身体拘束廃止・BCP)に対応できているか、を定期的にチェックすることです。


参考資料


放課後等デイ・児童発達支援の加算と会計なら、専門の税理士にご相談ください

Hands On会計事務所は、大阪府柏原市を拠点に、障害福祉事業者(放課後等デイサービス、児童発達支援、就労継続支援A型・B型、グループホームなど)を専門にサポートしている税理士事務所です。加算は「制度の正しい理解」と「日々の記録・体制づくり」、そして「会計への正しい反映」がそろって初めて、取りこぼしなく・返還リスクなく算定できます。当事務所では、令和6年度改定後の枠組みでの算定チェック、減算項目の整備、加算収入の会計処理までをまとめてサポートします。支援員としての現場経験をもとに専門用語をかみくだいてご説明し、個別支援計画AIや予約管理システムといったITツールは顧問先に無償でご提供しています。柏原市・八尾市・東大阪市・藤井寺市・羽曳野市・松原市・大阪市・堺市をはじめ大阪府全域に対応し、初回相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。


執筆・監修:Hands On会計事務所(税理士事務所/大阪府柏原市)

障害福祉事業者(放課後等デイサービス、児童発達支援、就労継続支援A型・B型、グループホームなど)の税務・会計・加算を専門に支援する税理士事務所です。最終更新日:2026年6月26日

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