放課後等デイ・児童発達支援の減算一覧|11種類の率・適用月と減収額を税理士が解説

放課後等デイ・児童発達支援の減算一覧|11種類の率・適用月と減収額を税理士が解説

「児童発達支援管理責任者が退職するが、後任が決まらない。報酬はいつから、どれだけ減るのか」「自己評価の公表を忘れていたら、さかのぼって返還になるのか」。放課後等デイサービス・児童発達支援の運営では、加算よりも減算のほうが経営への打撃は大きくなります。この記事では、減算の種類と減算率、適用される条件、いつから・いつまで引かれるのか、そして月の収入と資金繰りにどう響くのかを整理します。

結論として、放課後等デイサービス・児童発達支援の減算は11種類あり、基本報酬(加算を足す前の単位数)の1%から最大50%が、原則として利用児童全員分から差し引かれます。 人員・定員・計画に関する減算は30%〜50%と重く、委員会・研修・公表に関する減算は「やっていれば引かれない」性質のものです。

目次

放課後等デイ・児発の減算とは?|基本報酬から一定割合を差し引く仕組み

放課後等デイサービス・児童発達支援の減算とは、人員・定員・通所支援計画などの基準を満たしていない場合や、運営基準で義務づけられた委員会・研修・計画・公表を行っていない場合に、基本報酬の所定単位数に一定の割合を乗じて報酬を引き下げる仕組みです。 根拠は、児童福祉法に基づく報酬告示(指定通所支援に要する費用の額の算定に関する基準)と、その留意事項通知です。

押さえておきたい共通ルールは3つあります。

  • 減算の対象は基本報酬です。 留意事項通知は、所定単位数について「各種加算がなされる前の単位数とし、各種加算を含めた単位数の合計数について減算するものではない」としています(こども家庭庁・留意事項通知)。
  • 多くの減算は利用児童全員にかかります。 該当する児童の分だけが引かれるのは、通所支援計画が作成されていない場合の減算だけです。
  • 指導に従わず減算の状態が続くと指定の取消しが検討されます。 留意事項通知は、定員超過・人員欠如・計画未作成などについて、指導に従わない場合は「特別な事情がある場合を除き、指定の取消しを検討する」と定めています。

この論点でお困りではありませんか?

放課後等デイ・児童発達支援の減算が収入と資金繰りにどう響くかの判断に迷う場合は、障害福祉専門の税理士にご相談ください。

なお、加算の種類と単位数は「放課後等デイ・児童発達支援の加算一覧」で整理しています。この記事は減算だけを扱います。

放デイ・児発の減算にはどんな種類がある?|11種類の一覧表

放課後等デイサービス・児童発達支援の減算は、人員・定員・計画・開所時間に関する5種類と、運営基準の取組(公表・委員会・研修・計画策定・報告)に関する6種類の、あわせて11種類です(令和8年9月時点)。 減算率は放課後等デイサービスと児童発達支援で共通です。

No.減算の名称算定される割合(基本報酬に対して)適用される条件対象
1定員超過利用減算70/100(30%減)1日の利用児童数、または直近3か月の延べ利用児童数が、利用定員にもとづく上限を超えた場合児童全員(サービス提供単位を複数設けている場合は、該当する単位の児童全員)
2人員欠如減算(児童指導員・保育士)減算適用月から2月目まで70/100、3月以上連続で50/100配置すべき従業者(児童発達支援管理責任者を除く)の員数が基準を下回った場合児童全員
3人員欠如減算(児童発達支援管理責任者)減算適用月から4月目まで70/100、5月以上連続で50/100児童発達支援管理責任者の員数が基準を下回った場合児童全員
4通所支援計画未作成減算減算適用月から2月目まで70/100、3月以上連続で50/100児童発達支援管理責任者の指揮の下で通所支援計画(個別支援計画)が作成されていない、または作成に係る一連の業務が適切に行われていない場合該当する児童
5開所時間減算営業時間4時間未満は70/100、4時間以上6時間未満は85/100運営規程等に定める営業時間が6時間未満の場合(放課後等デイサービスは学校休業日のみ)児童全員
6自己評価結果等未公表減算85/100(15%減)おおむね1年に1回以上の自己評価・保護者評価の結果と改善内容を公表し、指定権者へ届け出ていない場合児童全員
7支援プログラム未公表減算85/100(15%減)5領域との関連性を明確にした支援プログラムを策定・公表し、指定権者へ届け出ていない場合(令和7年4月1日から適用)児童全員
8身体拘束廃止未実施減算99/100(1%減)身体拘束等の記録、身体拘束適正化検討委員会(年1回以上)、指針の整備、研修(年1回以上)のいずれかが欠けている場合児童全員
9虐待防止措置未実施減算99/100(1%減)虐待防止委員会(年1回以上)、研修(年1回以上)、担当者の配置のいずれかが欠けている場合児童全員
10業務継続計画未策定減算99/100(1%減)感染症・非常災害の業務継続計画(BCP)を策定していない、または計画に従った必要な措置を講じていない場合児童全員
11情報公表未報告減算95/100(5%減)児童福祉法第33条の18にもとづく障害福祉サービス等情報公表システムへの報告をしていない場合児童全員

出典:こども家庭庁「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」(令和8年度)の児童発達支援給付費・放課後等デイサービス給付費の欄、同「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」(令和8年4月2日掲載の改正後全文および令和8年5月28日改正の新旧対照表)第二の1(5)〜(13)。

名称は報酬算定構造と留意事項通知の表記に合わせています(No.4の通知上の表記は「通所支援計画等未作成減算」)。体制届(体制等状況一覧表)では、No.2は「職員欠如」、No.3は「児童発達支援管理責任者欠如」の欄で届け出ます。解説サイトなどでは、No.2を「サービス提供職員欠如減算」、No.4を「個別支援計画未作成減算」と呼ぶこともありますが、同じ減算です。当サイトの加算一覧ページでは「人員欠如減算(従業者)」「児童発達支援管理責任者欠如減算」と表記していますが、これも同じ減算です。また、No.2とNo.3の人員欠如減算は、児童発達支援センターと、主として重症心身障害児を通わせる事業所には適用されません(留意事項通知)。

人員・定員・計画の減算はいつから、いつまで適用される?

人員欠如減算は「欠けた月」からではなく翌月または翌々月から始まり、基準を満たした月まで続きます。 開始と終了の月は減算ごとに違い、留意事項通知は次のように定めています。

減算いつからいつまで
定員超過利用減算(1日あたり)上限を超えた当日当日のみ
定員超過利用減算(過去3か月)直近3か月の延べ数が上限を超えた場合の当該1か月間当該1か月間
人員欠如減算(児童指導員・保育士が必要数から1割を超えて減少)翌月人員欠如が解消された月
人員欠如減算(同・1割の範囲内で減少)翌々月(翌月末日に基準を満たせば減算なし)(令和8年5月28日改正の猶予特例に該当する場合は、翌々月までの間は猶予)人員欠如が解消された月
人員欠如減算(児童発達支援管理責任者)翌々月(翌月末日に基準を満たせば減算なし)人員欠如が解消された月
人員欠如減算(常勤・専従など員数以外の要件)翌々月(翌月末日に基準を満たせば減算なし)人員欠如が解消された月
通所支援計画未作成減算計画が未作成等に該当した月状態が解消された月の前月

定員超過の上限は、1日あたりでは利用定員50人以下の事業所で「利用定員の150%」、過去3か月では「利用定員×開所日数×125%」です。ただし定員11人以下の事業所の過去3か月の判定は、「(利用定員+3)×開所日数」を超えるかどうかで行います。定員10人・月22日開所なら、1日15人、3か月の延べで858人が上限です(留意事項通知)。

児童発達支援管理責任者の退職は、翌月末日までに後任を配置できれば減算になりません。ここが実務上の分かれ目で、「退職の申し出を受けた日」から逆算して採用と研修修了の確認を進める必要があります。後任が児童発達支援管理責任者の要件(実務経験・研修)を満たすかどうかなど、個別の取扱いは必ず指定権者にご確認ください。

人が辞めたときの猶予特例(令和8年5月28日改正)

令和8年5月28日の留意事項通知の改正(こ支障第147号)で、突発的でやむを得ない事情による1割以内の人員欠如について、1年に1回に限り、人員欠如が生じた月の翌々月までの間、人員欠如減算の適用を猶予する特例が新設されました。 通知は、次のアからエまでの全てに該当することを求めています。

  • ア:公共職業安定所(ハローワーク)または無料の職業紹介事業を活用して、職員の確保に係る取組を行っていること
  • イ:職員の確保に民間職業紹介事業者を利用する場合は、医療・介護・保育分野における適正な有料職業紹介事業者認定制度の適正認定事業者を含むこと
  • ウ:ハローワーク等を活用している場合でも、事業所が自ら採用情報をウェブサイトで公表する等、職員の確保に係る取組を積極的に行っていることが望ましいこと
  • エ:一部の職員へ過度な業務負担とならないよう、職員の適正な労働時間管理を行い、体制の整備を図るよう努めること

あわせて、職員の確保に係る取組と、一時的に職員を確保できないやむを得ない事情を別紙様式に記載し、人員欠如が生じた月の翌月までに指定権者へ報告します。別紙様式には、報告時点で有効な求人票の写しを添付します。

同日付のこども家庭庁のQ&Aは、「突発的で想定が困難な事象によりやむを得ない事情」の例として、職員や家族の突発的な体調不良等により1か月を超える不在が見込まれる場合と、職員の自己都合による急な離職等が複数重なった場合を挙げています。「1年に1回」の1年は、人員欠如が生じた月の翌々月の初日から起算します。自らホームページを持たない事業所は、ウのウェブサイトでの公表を求められません。

この特例は、通知の文言上、児童発達支援管理責任者を除く従業者(児童指導員・保育士)の人員欠如の規定に対するものです。児童発達支援管理責任者の欠如に使えるかどうか、自事業所の事情が「やむを得ない事情」に当たるかどうか、いつの人員欠如から対象になるかは、指定権者にご確認ください。ハローワークへの求人は、人が辞めてからではなく普段から出しておくことが、この特例を使える前提になります。

運営基準の取組に関する減算はどうすれば解消できる?

自己評価・支援プログラム・身体拘束・虐待防止・業務継続計画・情報公表の6つの減算は、決められた取組を行い、必要な届出・報告をすれば解消でき、年間スケジュールに組み込めば最初から発生しません。 留意事項通知が定める適用期間と解消の条件は次のとおりです。

減算適用される期間解消の条件
自己評価結果等未公表減算届出がされていない月から、解消された月まで自己評価・保護者評価を行い、結果と改善内容をインターネット等で公表し、公表方法と内容を指定権者へ届け出る
支援プログラム未公表減算届出がされていない月から、解消された月まで支援プログラムを策定・公表し、指定権者へ届け出る
身体拘束廃止未実施減算事実が生じた月の翌月から、改善が認められた月まで速やかに改善計画を提出し、3か月後に改善状況を報告する
虐待防止措置未実施減算事実が生じた月の翌月から、改善が認められた月まで速やかに改善計画を提出し、3か月後に改善状況を報告する
業務継続計画未策定減算事実が生じた月の翌月から、解消された月まで業務継続計画を策定し、計画に従った必要な措置を講じる
情報公表未報告減算報告をしていない事実が生じた月の翌月から、解消された月まで障害福祉サービス等情報公表システムで報告する

身体拘束廃止未実施減算は、身体拘束を行ったこと自体ではなく、記録・委員会・指針・研修のいずれかが欠けていることで適用されます(留意事項通知)。

支援プログラム未公表減算は令和6年度報酬改定で新設され、1年の経過措置を経て令和7年4月1日から適用されています。業務継続計画未策定減算の経過措置(感染症の指針と非常災害の計画があれば減算しない取扱い)は令和7年3月31日で終了しました(こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)改定事項の概要」)。現在は、どちらも経過措置なしで適用されます。

「事実が生じた」とは、運営基準を満たしていない状況が確認されたことを指します。運営指導(実地指導)で確認された場合に、どの月までさかのぼって減算となるかは指定権者の判断です。実地指導で見られる書類全般は「障害福祉事業所の実地指導で指摘される書類ミスTOP5」で解説しています。

複数の減算に当てはまったらどう計算する?

複数の減算事由に該当する場合は、それぞれの減算割合を掛け合わせて計算します。ただし、定員超過利用減算と人員欠如減算の両方に該当する場合は、減算となる単位数が大きいほうだけを適用します(留意事項通知)。

  • 自己評価結果等未公表減算(85/100)と支援プログラム未公表減算(85/100)の両方に該当:85/100×85/100で、基本報酬の約72%の算定になります。
  • 定員超過利用減算(70/100)と人員欠如減算(50/100)の両方に該当:50/100だけを適用します。
  • 定員超過利用減算(70/100)と人員欠如減算(70/100)の両方に該当:70/100を一度だけ適用します。

1%の減算は単独では小さく見えますが、身体拘束・虐待防止・業務継続計画の3つはいずれも書類と開催記録で確認されるため、同時に指摘されやすい組み合わせです。

令和8年度報酬改定で減算は変わった?

令和8年度報酬改定(令和8年6月1日施行)では、放課後等デイサービス・児童発達支援の減算の種類と減算率に変更はありません。ただし、令和8年5月28日の留意事項通知の改正で、人員欠如減算に「やむを得ない事情がある場合の猶予」の特例が新設されました。 こども家庭庁の改定事項資料と改正告示には減算の新設・率の見直しの項目がなく、令和8年度版の報酬算定構造に載っている減算は上の11種類です。猶予特例の要件は、上の「人が辞めたときの猶予特例」をご覧ください。

一方で、減算とは別の仕組みとして、令和8年6月1日以降に新規指定された事業所には「応急的な報酬単価の特例」が適用されます。基本報酬は、放課後等デイサービスが所定単位数の1000分の982、児童発達支援が1000分の988です(こども家庭庁「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について」)。既存の事業所は従前どおりで、主として重症心身障害児を通わせる事業所や、医療的ケア区分・強度行動障害児支援加算などを算定する児童に係る基本報酬は従前の単価が適用されるなど、適用されない例外が複数あります(留意事項通知)。この特例の対象事業所で減算にも該当すると、特例後の単位数にさらに減算割合がかかります。

減算は月の収入をいくら減らす?|定員10名の放デイで試算

定員10名の放課後等デイサービスで70/100の減算が1か月かかると、基本報酬は月に約32万円減ります。 次の前提で試算しました。

  • 定員10名、1日の平均利用8名(稼働率80%)、月22日開所で延べ176人
  • 全員が基本報酬の時間区分2(1時間30分超3時間以下)で609単位(こども家庭庁・報酬算定構造)
  • 1単位10円として計算。1単位の単価は事業所の所在地の地域区分によって10円より高くなるため、その場合の実際の減収額はこれより大きくなります
  • 減算前の基本報酬:609単位×176人×10円=1,071,840円
減算の割合該当する減算の例月の減収額(概算)
50/100人員欠如が長期化した場合約535,900円
70/100定員超過、人員欠如、計画未作成(全員が未作成の場合)約321,600円
85/100自己評価結果等未公表、支援プログラム未公表約160,800円
85/100×85/100上の2つに同時に該当約297,400円
95/100情報公表未報告約53,600円
99/100身体拘束、虐待防止、業務継続計画約10,700円

児童発達支援管理責任者の欠如が5か月続くと、4か月目までの減収は約129万円、5か月目以降は毎月約54万円です。減算は売上だけを減らし、家賃も人件費も減りません。基本報酬の30%が消えると、人件費比率の高い障害福祉事業では、その月が赤字になりかねません。人件費の水準を売上との比率で見ておく方法は「障害福祉事業所の人件費比率」で解説しています。後任の採用にかかる費用は、この減収額と比べて判断してください。

減算は資金繰りと決算にどう響く?|過誤調整と返還

減算に気づかず満額で請求していた場合は、過誤調整や返還によって、過去の月の差額がまとめて差し引かれます。 毎月の入金が減るだけの場合よりも、資金繰りへの打撃は大きくなります。

国保連の給付費は、サービス提供月の約2か月後に入金されます。過誤調整では、支給決定をした市町村に過誤申立てを行って誤っていた月の請求を取り下げ、正しい内容で請求し直します。取下げ分と再請求分が同じ月に処理されれば、差額がその月の支払額から差し引かれます。手続きの時期と方法は市町村・国保連ごとに決まっているため、事前にご確認ください。数か月分の減算がまとめて相殺されると、ある月の入金が給与の支払額を下回ることも起こりえます。入金サイクルの基本は「障害福祉の資金繰りが苦しい理由」、手元資金が足りなくなったときの対処は「障害福祉事業の運転資金が足りないときの対処法」をご覧ください。

決算への影響も整理しておきます。給付費の売上はサービス提供月に計上するため、減算が適用される月は、減算後の金額で売上を計上します。すでに決算を終えた事業年度の報酬を返還することになった場合、法人税では、過去の申告をやり直すのではなく、返還が確定した事業年度の損失として処理するのが一般的です(国税庁・法人税基本通達2-2-16の考え方)。ただし、当初の請求が事実と異なっていた場合など、返還の原因や確定の時期によって扱いが変わることがあるため、運営指導で返還の可能性を指摘された段階で税理士にご相談ください。返還額の見込みがわかれば、納税資金と運転資金の手当てを同時に進められます。

減算を防ぐために毎月できる4つの点検

減算を防ぐ最も確実な方法は、国保連への請求データを作る前に、人員・定員・計画・年間行事の4点を毎月同じ手順で確認することです。 「人が辞めた」「公表を忘れた」に翌月の請求前に気づけば、多くの減算は始まる前に止められます。

  1. 勤務形態一覧表で人員基準を確認する:当月の実績で、児童指導員・保育士の配置と児童発達支援管理責任者の在籍を確認します。退職の申し出があった時点で、減算が始まる月を上の表で特定してください。
  2. 利用実績で定員超過を確認する:1日の利用児童数が上限(定員10人なら15人)を超えた日がないか、直近3か月の延べ数が上限を超えていないかを確認します。
  3. 通所支援計画の期限を一覧で管理する:児童ごとに、計画の作成日・保護者の同意日・次回の見直し時期を一覧にし、期限切れの児童を請求前に洗い出します。
  4. 年間スケジュールに6つの取組を入れる:自己評価と保護者評価の実施・公表・届出、支援プログラムの見直し、身体拘束適正化検討委員会と虐待防止委員会の開催、各研修、業務継続計画の研修・訓練、情報公表システムへの報告の実施月を、年度初めに決めておきます。

委員会や研修は実施していても、議事録や記録が残っていないために減算を指摘される例があります。委員会と研修は、実施したことよりも、実施した記録が残っていることで判断されます。放課後等デイ・児童発達支援の経営数値と加算・減算をあわせて見てほしい方は「放課後等デイ・児童発達支援の税理士」のページもご覧ください。

まとめ

放課後等デイサービス・児童発達支援の減算のポイントは、次の5点です。

  1. 減算は11種類あり、基本報酬(加算を足す前の単位数)の1%〜50%が差し引かれます。通所支援計画未作成減算を除き、利用児童全員が対象です。
  2. 人員欠如減算は翌月または翌々月から始まります。児童発達支援管理責任者の欠如は、翌月末日までに後任を配置できれば減算になりません。やむを得ない事情による1割以内の人員欠如には、1年に1回に限り減算を猶予する特例(令和8年5月28日改正)があります。
  3. 自己評価・支援プログラム・身体拘束・虐待防止・業務継続計画・情報公表の6つは、取組と届出・報告をしていれば引かれない減算です。支援プログラム未公表減算と業務継続計画未策定減算の経過措置はすでに終了しています。
  4. 複数の減算は掛け合わせで計算します。定員超過と人員欠如が重なる場合だけ、大きいほうを適用します。
  5. 定員10名・稼働率80%の試算では、70/100の減算で月に約32万円の減収です。過誤調整や返還になると、過去の月の分がまとめて入金から差し引かれます。

減算の要件と率は報酬改定で見直されます。自事業所が減算に該当するかどうか、いつから適用されるかの最終判断は、最新の報酬告示・留意事項通知と、指定権者(大阪府、大阪市・堺市・東大阪市などの政令指定都市・中核市、または柏原市のように大阪府から権限移譲を受けた市)の案内でご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 放課後等デイサービスの減算にはどんな種類がありますか?

A. 放課後等デイサービスの減算は、定員超過利用、人員欠如(従業者、児童発達支援管理責任者)、通所支援計画未作成、開所時間、自己評価結果等未公表、支援プログラム未公表、身体拘束廃止未実施、虐待防止措置未実施、業務継続計画未策定、情報公表未報告の11種類です。率は児童発達支援も共通で、1%〜50%です。

Q. 児童発達支援管理責任者が退職したら、いつから減算になりますか?

A. 児童発達支援管理責任者が欠けた場合の人員欠如減算は、欠けた月の翌々月から、人員欠如が解消された月まで適用されます。翌月の末日までに後任を配置して基準を満たせば減算になりません。減算率は、減算適用月から4月目までが所定単位数の70/100、5月以上連続した場合は50/100です。

Q. 減算は加算を含めた報酬全体にかかりますか?

A. 放課後等デイサービス・児童発達支援の減算は、加算を足す前の基本報酬の単位数にかかります。こども家庭庁の留意事項通知は、減算の対象となる所定単位数について「各種加算がなされる前の単位数とし、各種加算を含めた単位数の合計数について減算するものではない」と定めています。

Q. 令和8年度報酬改定で放デイ・児発の減算は変わりましたか?

A. 令和8年度報酬改定(令和8年6月1日施行)では、放課後等デイサービス・児童発達支援の減算の種類と減算率に変更はありません。ただし令和8年5月28日の留意事項通知の改正で、やむを得ない事情による1割以内の人員欠如について、1年に1回に限り減算を猶予する特例が新設されました。

Q. 減算で報酬を返還することになったら、税理士に相談すべきですか?

A. 減算による返還や過誤調整が見込まれる段階で、税理士に相談することをおすすめします。返還額は国保連の入金から差し引かれるため資金繰りに直結し、決算を終えた事業年度の分は、法人税では一般的には返還が確定した事業年度の損失として処理します。


参考資料


放課後等デイ・児童発達支援の減算の影響試算と資金繰りの見直しなら、専門の税理士にご相談ください

Hands On会計事務所は、大阪府柏原市を拠点に、障害福祉事業者(就労継続支援A型・B型、放課後等デイサービス、児童発達支援、グループホームなど)を専門にサポートしている税理士事務所です。減算が適用された場合の月次の減収額の試算、過誤調整・返還を織り込んだ資金繰り表の見直し、人員欠如を避けるための採用コストと人件費計画、返還金の会計処理と決算・申告まで、現場を知る税理士が一気通貫でお手伝いします。税理士法人で6年、障害福祉の現場で4年の経験があり、窓口は最初から最後まで同じ税理士が担当します。支援員としての現場経験をもとに、専門用語をかみくだいてご説明しますので、税務が苦手な方もご安心ください。個別支援計画AIや予約管理システムといったITツールは顧問先に無償でご提供しており、事務負担の軽減にもつながります。柏原市・八尾市・東大阪市・藤井寺市・羽曳野市・松原市・大阪市・堺市をはじめ大阪府全域に対応し、初回相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。

お電話でも承ります:080-1439-1087(平日10:00〜18:00)


執筆・監修:税理士 栗谷川 雄介(登録番号 第157826号)/Hands On会計事務所(税理士事務所・大阪府柏原市/認定経営革新等支援機関 ID:109927003701)

障害福祉事業者(就労継続支援A型・B型、放課後等デイサービス、児童発達支援、グループホームなど)の税務・会計・加算を専門に支援する税理士事務所です。国の認定を受けた認定経営革新等支援機関として、事業計画の策定や融資・補助金の申請支援にも対応しています。最終更新日:2026年9月19日

執筆者:税理士 栗谷川 雄介(登録番号 第157826号)/Hands On会計事務所

障害福祉に携わって通算10年。障害福祉を専門とする税理士法人で6年間、事業所の税務・会計を担当したのち、就労継続支援B型・生活介護の多機能型事業所に4年間勤務しました。目標工賃達成指導員として支援記録の整備・国保連への請求・実地指導対応・経理を担当し、見守り支援や利用者の送迎にも携わっています。2025年10月にHands On会計事務所を開業しました。

国保連への請求が現場でどう回っているのか、実地指導の当日までに何が起きるのか、経営者や職員がどう動いているのか——税務を担当していたときには見えなかったことを、内側から4年間経験しています。制度の解説だけでなく、現場で実際に何が起きているかを踏まえてお答えできるのが強みです。

大阪府柏原市を拠点に、就労継続支援・放課後等デイサービス・児童発達支援・グループホームの税務・会計・加算を専門に支援しています。大阪府全域対応/初回相談は無料です。障害福祉専門の税理士事務所について/ご相談はこちら

Hands On会計事務所は、国の認定を受けた認定経営革新等支援機関(ID:109927003701)です。障害福祉事業の融資・補助金・事業計画の策定支援にも対応しています。無料相談はこちら

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