放課後等デイ・児発の欠席時対応加算|令和6年改定後の単位数・算定要件を税理士が解説
放課後等デイサービスや児童発達支援を運営していると、利用者の急な欠席は避けて通れません。このとき、ご家族に連絡を取り相談援助を行えば「欠席時対応加算」を算定でき、急な欠席による減収を一部カバーできます。結論から言うと、令和6年度報酬改定後の欠席時対応加算は1回94単位・原則として1人につき月4回までで、「連絡を受けただけ」では算定できず相談援助と記録が必須です。この記事では、大阪・障害福祉専門の税理士が単位数・算定要件・実務の注意点をかみ砕いて解説します。
欠席時対応加算とは?
欠席時対応加算とは、利用予定日に急な欠席の連絡があったとき、事業所が利用者やご家族と連絡を取り、状況確認や相談援助などを行って記録した場合に算定できる加算です。
ポイントは「ただ欠席連絡を受けた」だけでは算定できないことです。欠席の理由や様子をうかがい、次回利用に向けた助言や調整など、支援員としての具体的な関わりが求められます。急な欠席で当日の利用がなくても、家庭への支援を継続している事業所の負担を評価する仕組み、とイメージするとわかりやすいでしょう。
欠席時対応加算は何単位?月に何回まで算定できる?
結論として、令和6年度報酬改定後は1回あたり94単位で、算定回数は原則として1人につき月4回までです。重症心身障害児を受け入れる事業所には例外があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 単位数 | 1回につき94単位 |
| 算定上限(原則) | 利用者1人につき月4回まで |
| 算定上限(例外) | 重症心身障害児を対象とする事業所で、当該月の利用率(延べ利用人数 ÷(定員×営業日数))が80%未満の場合は月8回まで |
出典:令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に係るこども家庭庁・厚生労働省の留意事項通知等。実際の単位数は地域区分(1単位の単価)によって金額が変わります。たとえば1単位10円の地域で月4回算定すると、94単位 × 4回 × 10円 = 3,760円が目安です。
なお、放課後等デイサービスにあった欠席時対応加算(Ⅱ)(当日の短時間利用を評価する区分)は、基本報酬への時間区分導入に伴い廃止され、現在は1回94単位の欠席時対応加算のみになりました。古い資料では(Ⅰ)(Ⅱ)の2区分が載っていることがありますので、運用するときは必ず令和6年度以降の資料でご確認ください。なお、令和8年度の報酬算定構造では放課後等デイサービスの欄が「欠席時対応加算(Ⅰ)」の表記のままですが、(Ⅱ)は廃止されているため区分は1つだけです。具体的な単位数・上限回数は、最新の報酬告示や自治体(指定権者)の案内で必ず裏取りすることをおすすめします。
令和8年度障害福祉サービス等報酬改定(令和8年6月施行)でも、欠席時対応加算の単位数と取扱いに変更はありません。こども家庭庁・厚生労働省の「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」(令和8年度版)でも、1回につき94単位・月4回を限度(重症心身障害児を支援する場合で定員充足率80%未満のときは月8回を限度)と記載されています(令和8年8月時点)。
算定要件は?どんな連絡・対応・記録が必要?
算定の要件は大きく3つです。「連絡のタイミング」「相談援助」「記録」のすべてを満たして初めて算定できます。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ① 連絡のタイミング | 急病等により利用を中止した日の前々日・前日・当日のいずれかに中止の連絡があったこと(それより前の連絡は「予定のキャンセル」扱いで対象外。休業日をはさむ場合の数え方は通知に定めがないため、指定権者にご確認ください) |
| ② 相談援助 | 事業所が利用者・家族と連絡を取り、状況確認や相談援助を行ったこと |
| ③ 記録 | 行った相談援助の内容を支援記録に残したこと |
出典:こども家庭庁「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」(令和8年3月31日最終改正)。
たとえば「明日休みます」という前日連絡に対し、体調や家庭の様子を確認し、次回利用に向けて声かけをしたうえで、その内容を記録した――この一連の対応がそろっていれば算定できます。逆に、連絡を受けて「わかりました」と返しただけで記録もない、というケースでは算定できません。
欠席の連絡は何日前までに必要?|当日の連絡でも算定できる?
欠席時対応加算は、急病等により利用を中止した日の「前々日・前日・当日」に中止の連絡があった場合に算定できます。当日の朝の連絡でも算定できます。逆に、それより前(3日前以前)の連絡は「予定のキャンセル」として扱われ、加算の対象になりません。
こども家庭庁の留意事項通知は、「加算の算定に当たっては、急病等によりその利用を中止した日の前々日、前日又は当日に中止の連絡があった場合について算定可能とする」と定めています。「何日前まで」を判断するときは、この一文がそのまま基準になります。
| 欠席連絡のタイミング | 算定の可否 |
|---|---|
| 利用予定日の当日 | 算定できる |
| 利用予定日の前日 | 算定できる |
| 利用予定日の前々日 | 算定できる |
| 前々日より前(3日前以前) | 算定できない(予定のキャンセル扱い) |
注意したいのは、タイミングを満たしていても「連絡を受けただけ」では算定できないことです。同じ通知は、相談援助について「電話等により当該障害児の状況を確認し、引き続き当該指定児童発達支援等の利用を促すなどの相談援助を行うとともに、当該相談援助の内容を記録すること」と定めており、「直接の面会や自宅への訪問等を要しない」とも明記しています。電話やメッセージでの確認で足りますが、記録は必須です。
もう一点、対象になるのは「急病等」による中止です。こども家庭庁の「障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A」(令和6年5月17日事務連絡)問22は、欠席した障害児が同じ日に別の事業所へ通所したケースについて、「基本的には同日に異なる事業所が報酬を算定することは想定していない」としたうえで、利用者の連絡漏れ等により急きょ利用中止となった場合は、欠席した側の事業所は欠席時対応加算を算定できないと示されています。
なお、休業日をはさむ場合に前々日をどう数えるかまでは通知に定めがありません。取り扱いが分かれることがあるため、迷うケースは指定権者(都道府県・市町村)にご確認ください。
欠席が多い利用者がいる場合はどうなる?|月4回を超えるときの考え方
欠席時対応加算は同じ利用者について月4回までで、5回目以降の欠席にどれだけ丁寧に相談援助を行っても加算にはなりません。例外は、重症心身障害児を対象とする事業所で、その月の利用率(延べ利用人数 ÷(定員×営業日数))が80%未満の場合のみで、このときは月8回まで算定できます。
上限を超えて請求すると返戻や過誤調整の対象になります。「相談援助はしているのだから請求できるはず」と考えず、利用者ごとの当月算定回数を必ず確認してから請求してください。
経営面で押さえておきたいのは、欠席が多い利用者がいる状態は、加算では埋まらないということです。欠席時対応加算は月4回算定しても376単位(1単位10円の地域で約3,760円)にとどまる一方、欠席によって失われるのは基本報酬そのものです。欠席が続いているときに見るべき数字は加算の回数ではなく、稼働率(定員充足率)のほうになります。
「欠席が多くて月の売上が読めない」というご相談は実際によくいただきます。次の3点を月次で確認しておくと、原因を早く特定できます。
- 利用者ごとの契約支給量と実利用日数のギャップ(毎月の推移で見る)
- 欠席理由の傾向(体調・送迎・学校行事・家庭事情のどれが多いか)
- 相談支援専門員・保護者との情報共有ができているか(欠席が続く前に相談できているか)
欠席の記録は、加算の算定根拠であると同時に、稼働率が落ちている原因を説明できる資料にもなります。実地指導でも経営判断でも使えるよう、理由まで書き残しておくことをおすすめします。
実務で気をつけるポイントは?
実務では、要件を満たす対応を「毎回もれなく」「記録に残す形で」回す仕組みづくりが大切です。次の3点を押さえておきましょう。
連絡記録をテンプレート化する
欠席連絡を受けたときに記録する項目を、あらかじめテンプレート化しておくと漏れがありません。最低限、次の項目を用意しておくとよいでしょう。
- 連絡日時/連絡者(ご家族か本人か)
- 欠席理由
- 行った相談援助の内容(状況確認・助言・調整など)
- 次回利用の見通し
- 対応した職員名
支援記録ソフトに専用フォームを作っておくと、誰が対応しても同じ品質で記録でき、実地指導の際にも説明しやすくなります。
月の上限回数を管理する
算定は原則として1人につき月4回(重症心身障害児を対象とする事業所で利用率80%未満の場合は月8回)が上限です。上限を超えて請求してしまうと返戻や過誤調整の対象になります。利用者ごとの当月算定回数を一覧で可視化し、上限に達した方が一目でわかるようにしておきましょう。
基本報酬との関係を整理する
欠席時対応加算は、利用がなく基本報酬が算定されない日(=欠席日)に算定する加算です。当日きちんと通所した利用者には算定できません。「通所=基本報酬」「急な欠席+相談援助=欠席時対応加算」と整理しておくと、請求ミスを防げます。
まとめ
欠席時対応加算は、急な欠席にもきちんと対応している事業所にとって、正当に評価される報酬源です。要点を整理します。
- 単位数は1回94単位、原則として1人につき月4回まで(重症心身障害児を対象とし利用率80%未満の事業所は月8回まで)
- 対象は急病等により中止した日の前々日・前日・当日の連絡による欠席(休業日をはさむ場合の数え方は通知に定めがないため指定権者に確認)
- 放デイの欠席時対応加算(Ⅱ)(当日の短時間利用を評価する区分)は基本報酬への時間区分導入に伴い廃止され、現在は1回94単位の加算のみ
- 「連絡を受けた」だけでは算定不可。相談援助の内容を支援記録に残すことが必須
- 令和8年度報酬改定(令和8年6月施行)でも、単位数・取扱いに変更はない
- 単位数・上限回数・要件は改定で見直されるため、最新の報酬告示や自治体の案内で必ず確認する
同じ令和6年度改定では、専門的支援実施加算・放課後等デイの送迎加算・家族支援加算も見直されています。放デイ・児発で算定できる加算の全体像は「放デイ・児発の加算チェックリスト【令和6年度版】」で、加算の取りこぼしを防ぐ経営の考え方は「放課後等デイの加算取得チェックリスト完全版」で確認できます。
放課後等デイ・児童発達支援で算定できる加算を単位数つきで一覧にしたい方は、「放課後等デイ・児童発達支援の加算一覧」をご覧ください。職員配置・支援の実施・送迎や預かり・連携や家族支援の4系統に整理しています。
障害福祉に強い税理士に相談したい方は、Hands On会計事務所(大阪・障害福祉専門の税理士)の無料相談をご利用ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 欠席時対応加算は何単位ですか?
A. 欠席時対応加算は、令和6年度報酬改定後は1回につき94単位です。実際の金額は地域区分(1単位の単価)によって変わるため、自事業所の単価で計算してください。最新の単位数は報酬告示や自治体の案内でご確認ください。
Q. 月に何回まで算定できますか?
A. 欠席時対応加算は、原則として利用者1人につき月4回まで算定できます。重症心身障害児を対象とする事業所で、当該月の利用率が80%未満の場合は月8回まで算定できます。
Q. 何日前の欠席連絡なら算定できますか?
A. 欠席時対応加算は、急病等により利用を中止した日の前々日・前日・当日のいずれかに中止の連絡があった欠席が対象です。それより前の連絡は「予定のキャンセル」とみなされ、対象外となります。なお、休業日をはさむ場合の日数の数え方は通知に定めがないため、取り扱いは指定権者にご確認ください。
Q. 欠席の連絡が当日の朝でも算定できますか?
A. 算定できます。欠席時対応加算は、急病等により利用を中止した日の前々日・前日・当日のいずれかに中止の連絡があれば算定できるため、当日の朝の連絡も対象です。ただし連絡を受けるだけでは足りず、電話等で状況を確認して相談援助を行い、その内容を記録することが必要です。
Q. 同じ利用者が月に何回も欠席する場合はどうなりますか?
A. 欠席時対応加算は利用者1人につき月4回までのため、5回目以降の欠席については相談援助を行っても算定できません。重症心身障害児を対象とする事業所で、その月の利用率(延べ利用人数 ÷(定員×営業日数))が80%未満の場合に限り、月8回まで算定できます。
Q. 電話で欠席連絡を受けるだけで算定できますか?
A. 欠席時対応加算は、連絡を受けるだけでは算定できません。連絡を受けたうえで状況確認や相談援助を行い、その内容を支援記録に残すことが必要です。記録がないと実地指導で返還を求められることがあります。
Q. 令和6年度改定で欠席時対応加算は変わりましたか?
A. はい。放課後等デイサービスにあった欠席時対応加算(Ⅱ)(当日の短時間利用を評価する区分)は、基本報酬への時間区分導入に伴い廃止され、現在は1回94単位の欠席時対応加算のみになりました。古い資料の2区分の記載には注意してください。なお令和8年度報酬改定(令和8年6月施行)では、欠席時対応加算の単位数・取扱いに変更はありません。
参考資料
- こども家庭庁|児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について(改正後全文・令和8年3月31日最終改正)
- こども家庭庁・厚生労働省|障害福祉サービス費等の報酬算定構造(令和8年度)
- こども家庭庁|令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)改定事項の概要
- こども家庭庁|「障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)に関するQ&A」について(令和6年5月17日事務連絡・問22)
欠席時対応加算の算定管理と請求実務なら、障害福祉専門の税理士にご相談ください
Hands On会計事務所は、大阪府柏原市を拠点に、障害福祉事業者(就労継続支援A型・B型、放課後等デイサービス、児童発達支援、グループホームなど)を専門にサポートしている税理士事務所です。欠席時対応加算の算定要件の確認から、連絡記録テンプレートの整備、月の上限回数の管理、請求前のチェック体制づくりまで、現場を知る税理士が一気通貫でお手伝いします。支援員としての現場経験をもとに、専門用語をかみくだいてご説明しますので、税務が苦手な方もご安心ください。個別支援計画AIや予約管理システムといったITツールは顧問先に無償でご提供しており、事務負担の軽減にもつながります。柏原市・八尾市・東大阪市・藤井寺市・羽曳野市・松原市・大阪市・堺市をはじめ大阪府全域に対応し、初回相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。
執筆・監修:税理士 栗谷川 雄介(登録番号 第157826号)/Hands On会計事務所(税理士事務所・大阪府柏原市)
障害福祉事業者(就労継続支援A型・B型、放課後等デイサービス、児童発達支援、グループホームなど)の税務・会計・加算を専門に支援する税理士事務所です。最終更新日:2026年8月24日
