放課後等デイの送迎加算とは?令和6年改定の単位数・算定要件と非課税の会計処理を税理士が解説
放課後等デイサービスにおいて、送迎加算は安定した収益源の一つです。ただし算定要件が細かく、記録や会計処理を誤ると返戻・算定取り消しにつながります。この記事では、令和6年度報酬改定後の単位数・算定要件と、「収入は非課税・費用は経費」という会計処理のポイントを整理します。結論として、基本は片道54単位(主として重症心身障害児を通わせる事業所以外の場合)で、収入は給付費の一部として消費税は非課税です。
放課後等デイの送迎加算とは?
送迎加算とは、利用児童の居宅等または学校等と事業所の間の送迎を行った場合に、片道ごとに算定できる加算です。1往復で行き・帰りの2回分を算定できるのが基本です。対象は原則として通常の事業実施地域内の送迎なので、運営規程の実施地域と実際のルートがずれていないか確認しましょう。
送迎加算の単位数はいくら?(令和6年度改定後)
結論から言うと、主として重症心身障害児を通わせる事業所以外の場合の基本は片道54単位です。同一敷地内・隣接敷地内への送迎は所定単位数の70%で算定します。
| 区分 | 単位数(片道) |
|---|---|
| 通常(主として重症心身障害児を通わせる事業所以外の場合) | 54単位 |
| 送迎先が同一敷地内・隣接敷地内の場合 | 所定単位数の70%で算定 |
(出典:こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)」)
注意したいのが重症心身障害児・医療的ケア児への送迎です。令和6年度改定で「子どもの医療濃度等に応じた評価」へ見直され、事業所の類型・医療的ケア判定スコア・看護職員の同乗の有無などによって単位数が変わります。具体的な単位数は資料によって表記が分かれるため、本記事では断定を避けます。最新の報酬告示や自治体の案内で必ずご確認ください。なお報酬額は、単位数に地域区分の単価を掛けて算出します。
送迎加算を算定するための要件は?
押さえるべきは「対象範囲」「委託・同乗のルール」「記録の整備」の3点です。要件を満たさない送迎を算定すると返戻の対象になります。
居宅・学校等と事業所間の送迎であること
加算の対象は、利用児童の居宅等または学校等と事業所の間の送迎です。保護者の同意があれば利便性を考慮した場所までの送迎が認められる場合もありますが、取り扱いは自治体で異なるため事前確認が安全です。
委託・同乗のルール(令和6年改定で整理)
令和6年度改定で、送迎の委託や複数事業所の利用者の同乗の取り扱いが整理されました。要件を満たせば受託事業所による送迎でも算定でき、双方の事業実施地域内であれば両事業所の利用者の同乗も認められます。委託する場合は委託契約・覚書の整備が前提です。詳細は最新の留意事項通知や自治体の案内でご確認ください。
送迎記録の整備
送迎記録は加算算定の根拠です。送迎日時(出発・到着)、利用者氏名、乗降場所、運転者氏名などを記録します。実地指導では請求内容との突合を求められることが多いため、日々こまめに残しましょう。
送迎加算の会計処理で気をつけることは?
ポイントは「収入は非課税の給付費」「費用は経費として車両関連科目に振り分ける」という収入と費用の区分です。
送迎加算の収入は給付費の一部で消費税は非課税
送迎加算は障害児通所給付費の一部として国保連経由で支払われ、会計上は「事業収益(給付費収入)」として計上します。社会福祉事業によるサービスの提供として消費税は非課税です(国税庁 No.6201)。一方、実費徴収する光熱費や昼食代、物販などは課税取引になり得るため、給付費収入とは区分して管理しましょう。売上の計上時期や消費税の区分など確定申告全体の注意点は、放課後等デイサービスの確定申告で注意すべき3つのことで解説しています。
送迎にかかった費用は経費(車両関連科目)で処理する
送迎の「収入」が非課税である一方、送迎にかかった「費用」は通常どおり経費として計上します。
| 費用 | 勘定科目の例 |
|---|---|
| 送迎用車両の減価償却費 | 減価償却費 |
| ガソリン代 | 燃料費または車両費 |
| 高速道路代・駐車場代 | 旅費交通費または車両費 |
| 自動車保険料 | 損害保険料 |
| 車検・整備費 | 車両費 |
送迎車を業務用と私用で兼用している場合は、走行距離記録があれば経費按分の根拠にできます。送迎用車両の減価償却や30万円未満の備品の経費処理は、障害福祉事業所の備品・消耗品費|少額減価償却もあわせてご覧ください。
まとめ
放課後等デイの送迎加算は、要件を正しく理解して書類を整えれば、安定した収益源になります。
- 基本は片道54単位(主として重症心身障害児を通わせる事業所以外の場合)、同一・隣接敷地内は70%換算(こども家庭庁の令和6年度改定資料による)
- 重症心身障害児・医療的ケア児への送迎は医療濃度に応じた評価に見直され、単位数は事業所類型・判定スコア・看護職員同乗の有無で変わるため、最新の告示・自治体の案内で要確認
- 委託・同乗のルールが令和6年改定で整理された
- 収入は給付費の一部で消費税は非課税、費用は車両関連科目で経費計上する
同じ令和6年度改定では、専門的支援実施加算・欠席時対応加算・家族支援加算も見直されています。放デイ・児発で算定できる加算の全体像は「放デイ・児発の加算チェックリスト【令和6年度版】」で確認できます。
送迎加算以外にどんな加算が算定できるかを一覧で確認したい方は、「放課後等デイ・児童発達支援の加算一覧」に主な加算の単位数と算定上限をまとめています。
記録不備や事業実施地域外の送迎は、算定取り消し・返戻のリスクがあります。障害福祉に強い税理士に相談したい方は、Hands On会計事務所(大阪・障害福祉専門の税理士)の無料相談をご利用ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 放課後等デイの送迎加算は片道いくらですか?
A. 主として重症心身障害児を通わせる事業所以外の場合で片道54単位が基本です(こども家庭庁の令和6年度報酬改定資料による)。同一敷地内・隣接敷地内への送迎は所定単位数の70%で算定します。重症心身障害児・医療的ケア児への送迎は別の評価となるため、最新の報酬告示・自治体の案内でご確認ください。
Q. 送迎を別の事業者に委託しても加算できますか?
A. 令和6年度改定で委託・同乗の取り扱いが整理され、要件を満たせば受託事業所による送迎でも算定できるとされています。委託契約・覚書の整備が前提です。詳細は最新の留意事項通知や自治体の案内でご確認ください。
Q. 送迎加算の収入に消費税はかかりますか?
A. かかりません。送迎加算は障害児通所給付費の一部として支払われ、社会福祉事業によるサービスの提供として消費税は非課税です(国税庁 No.6201)。実費徴収する光熱費や物販などの課税取引とは区分して管理しましょう。
Q. 送迎にかかったガソリン代や車両費はどう処理しますか?
A. 経費(費用)として計上します。ガソリン代は燃料費・車両費、車両の減価償却費は減価償却費などに分けます。私用と兼用する車は走行距離記録で按分するのが基本です。
参考資料
- 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援)について(こども家庭庁)
- こども家庭庁 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(障害児支援関係)改定事項の概要
- 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定(WAM NET)
- No.6201 非課税となる取引(国税庁)
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Hands On会計事務所は、大阪府柏原市を拠点に、障害福祉事業者(就労継続支援A型・B型、放課後等デイサービス、児童発達支援、グループホームなど)を専門にサポートしている税理士事務所です。送迎加算の算定要件・送迎記録の整備から、ガソリン代・車両費の経費処理と按分、給付費の非課税区分の管理まで、現場を知る税理士が一気通貫でお手伝いします。支援員としての現場経験をもとに、専門用語をかみくだいてご説明しますので、税務が苦手な方もご安心ください。個別支援計画AIや予約管理システムといったITツールは顧問先に無償でご提供しており、事務負担の軽減にもつながります。柏原市・八尾市・東大阪市・藤井寺市・羽曳野市・松原市・大阪市・堺市をはじめ大阪府全域に対応し、初回相談は無料です。まずはお気軽にお問い合わせください。
執筆・監修:税理士 栗谷川 雄介(登録番号 第157826号)/Hands On会計事務所(税理士事務所・大阪府柏原市)
障害福祉事業者(就労継続支援A型・B型、放課後等デイサービス、児童発達支援、グループホームなど)の税務・会計・加算を専門に支援する税理士事務所です。最終更新日:2026年7月20日
